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無料のおもしろネタ画像『デコじろう』用アイコン02 しろらの想い出   

しろらの想い出_d0106014_7313595.jpg日曜日にゴミ掃除で訪れた公園で、
朝一番に、ぎゃおぎゃおぎゃおぎゃお・・・と
およそ美しくない鳴き声とともに、
一斉に無数の鳥が飛び立った。
この悪声にはどこか聞き覚えがある。
上空を見上げると、デカイ白い鳥たちである。
羽の下がうっすら黄色い。
うそ。これって、カカトゥアの群??
一瞬の出来事で、群は写せなかった。


しろらの想い出_d0106014_733864.jpgカカトゥアは、白い大型のオウムだ。
ジャカルタで飼っていた。
名前を「しろら」という。
朝夕二回、ぎゃおぎゃおと大声で仲間を呼ぶ。
鎖に繋がれた彼を、空高く
解き放ってやりたくなる時間帯だった。
まだ子供だった。

日本語は夫が教えるので、低い声。インドネシア語は、メイドさんが教えるので、高い声。
毎朝、野太い声で「おはよ」を連発していた。


98年の暴動で日本に一時帰国したときは、メイドさんや運転手に世話を任せるしかなかった。2ヶ月近くして戻ったら、「しろら」がすっかり大人しくなっていた。 ちょっとはオトナになったのか。そして私達は、夏休みを楽しむために、オーストラリア中西部へ旅立った。

しろらの想い出_d0106014_7343169.jpgパースでまっ先に息子がせがんだもの。
カカトゥアのぬいぐるみ。
「しろら」がひとりぼっちでかわいそうだから、
お土産に買ってあげたい、と。


でもそのお土産を、「しろら」が目にすることはなかった。私達が休暇から戻る予定の、まさにその日の朝、息をひきとったのだ。
空港に迎えにきた運転手に、まっさきに「しろら」のことを尋ねる息子。お茶を濁す運転手。 

鳥は繊細な生き物なんだそうである。おそらくまだ子供だった「しろら」は、親から引き離され、鳥市場の仲間と別れ、新しい家でも、飼い主が忽然と姿を消してしまった。精神的にまいってしまったんだろう、と言われた。大人しくなったのは成長したわけじゃなく、元気が無かったのだ。獣医に診せるべきだった。

遺体はまだ温かった。部屋に入れてやり、新聞紙の上に横たえた。息子はそのそばで泣きじゃくり、泣き疲れて床で寝てしまった。その後、しぶる息子を説得し、鳥好きの運転手の指示に従い、白い布を用意して、遺体をくるみ、庭に埋めた。


しろらの想い出_d0106014_7544422.jpg
   それ以来、お土産のぬいぐるみが
   彼の「しろら」になった。
   今も息子のベッドにいる。 
   薄汚れて、もう白くない。
   公園のカカトゥア達が、仲間と一緒に
   思い切り羽ばたいている姿を見たとき、
   ずっと繋がれていた「しろら」を想い、
   胸が痛んだ。

by tomokin_syd | 2007-03-06 08:08 | fauna | Comments(3)

Commented by よーちゃん at 2007-03-06 17:37 x
かわいい!Ko-ちゃんがまだあどけない☆
それと、このリアルなぬいぐるみは、本当にそっくり!よくあったねぇ・・
本物の写真の方を見ると、羽の内側の色はうっすらとクリーム色が入っているんだね。きれいだぁ~・・・おとなしくしていること。。。
それにしても『しろら』ってなに?日本語?


Commented by とも at 2007-03-07 05:47 x
そっくりな上に等身大なのよ。お店で見つけたときは、買う前に思わず
写真を撮っちゃったぐらい。パースは静かで素敵な街だったわ。
住んでる人に言わせると退屈らしいけど。
鳥は本来、つがいか、それ以上で飼ってやるべきなんだって。
しろらは・・・そういうニックネームの夫の友人がいたのと、(史朗さん)
白かったので、なんとなく。
Commented by よーちゃん at 2007-03-07 13:15 x
つがいか、それ以上って・・・そうか・・・
でもよく中華屋の店先でオオムを一羽飼ってるトコロを見かけるよね~
声を競う鳥さん達も一羽づつ飼ってるのにね。

「しろら」の謎がなんとなく解けた。
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